寒いぐらいの室温と蚊のいない環境に小さな投資をしたと思う事にしよう。
3日目。いよいよレーススタート。早朝5時から買い出し。6時出港。スタート海面は悪いうねりに翻弄される。風は行き先の大島から吹いている。早くもセールアップとタックのテーリングで息切れ。こんなんで無事に着くのかなあ?ちょっと心配。助っ人のオーストラリア人Sはさすがにプロフェッショナル。スタート前の駆け引きがうまい。クリアースタート。ジブを引き込むのが追いつかない。インインインと連呼される。ふう、ふう。ちょっと吹くと辛いなあ。5分で一歩前に出て行く艇速!徐々に差を開けていく。ライバルがいたのは最初の30分のみで、後は孤独な闘い。でも、コース引きを間違えたら終わり気は抜けない。ファーストフォームして当たり前。あわよくば修正でも勝たねば。潮と風の比べっこで色々と作戦は立てるが、とにかく早い船だ。7ノットを下回ることは、ほとんどなく実走50マイルを6時間20分で走りきった。大島は夏の色、岡田から風早、乳が崎の風景は見事だったが、もちろんカメラを取り出す余裕などない。少しでもヒールを殺す為に上のデッキに座りぱなっし。薄い長ズボンだったので尻が痛くてしょうがない。タックの時だけコクピットに戻るが、そこでもウインチ回しの大仕事が待っている。軽風ならばいいが、少し吹いてくるとやはり大変。足腰ともにガタガタ。千波崎が見えたらフリーランの用意。ハイカットのジブに交換。ここでセールを中から引っ張り出してくるのだが、ヒール殺しが重要なので、一人でやるようにSに指示される。ふうふう、揺れる斜めの世界に入り重たいセールをずるずるとひっぱり上げる。ヨットは辛いスポーツだなと改めて実感。ジブ交換でトラブル発生するもSの神業で何とか解消。すでに船は差木地へ。残り1マイルなのにジェネカーアップの命令が。急いで支度しホイスト、まずはトラブルなく揚がる。艇速は10ノットにも達する速さ。島が近い、こんなんで引っかけたらどうなるのか。島ぎりぎりを狙い猛スピードで回り込む。さらに追い手になったのでガイバック。フォアガイがたまらずパンク、ブロックがバン!!とぶっ飛ぶ。あと半マイル、なんとかタックロープで食い止めゴールへ。ゴールラインは狭く、ワイジャブぎりぎり最後はメインを返してそのままゴール!やったーファーストフォーム!!あとは後続艇が気になるが、一番にフィニッシュラインを横切るのは痛快。
その後、後続艇は1時間以上遅れて入ったので、総合優勝は確実。でも表彰式までは解らない。長いアトラクションが終わり、成績発表。やったーーー。ついに念願の総合優勝なる。オーストラリア行きから数えると8ヶ月におよんだプロジェクトは一応の区切りを終えた。
嬉しさもあるが、ホッとしたという方が正解か。日に焼けただれた唇の痛さがここ数日の海上生活の証しとなった。8月4日から7日にかけての出来事。
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