2011年8月16日火曜日

クルージングその4

朝6時30分出港、帰りは潮も悪いので一番の長丁場を覚悟して出港。1時間ほどはエンジンでトコトコ走っていたが、急にエンジンから警告音。鳴り止まないので仕方なくエンジン停止。この時排水が出ているからといって、その水に触ってもみなかった。きっと触れないぐらいの熱湯だったに違いない。オーバーヒートだ。しかもエンジンルームのビルジは汲んだばかりなのに、もう溜まっている。このまま水が入れば沈没か?ライフラフトは置いてきたし、千倉へ戻るか迷ったが、入り口の暗礁地帯をセーリングで抜けるのは大変。潮に戻されながらもセーリング。1時間ほど、ただただ漂っていた。やがて風が吹き始め前進、しかし風は真向かいなのでタックタックで上っていく。そのうちにおかしい事に気がついた。横の景色が全く変わらないのだ。同じところをカニの横走り。これを2時間ほど。僅かに前進しているが、このペースでは日暮れまでには着かないこと必至。ハーバーに夜間入港すると連絡。辛い重苦しい時間が続く。もうすでに午後、そのうちにいい風が吹いてくれることを期待するしかない。そうこうしている内にやっと野島崎が見えてきた。前方2時ぐらいの位置に見えるが、それが3時の位置になったらタックをしようと作戦を練る。沖へ出されていることもあり2時半、2時45分、なかなかなかなか近づかぬ。戻されることを覚悟で、大決断のタックここ一番。気合いを入れてレバーも使わず一気にジブを引き込む。決まった!!やったー野島崎がかわせそう。こうなると元気が出るもの。風は上がるがジェノアで強行突破。ヒールがきついが上で積極的にヒール殺しをするのは私だけ。先輩連はコクピットの内側で黙り。まあ、しょうがないか。そうこうしている内に行きに通った魔の海域に。今度は白波はあったが難なく通過。セールを出せる角度になったので、船は猛烈なスピードで飛んでいく。風は更に上がり22ノット。アビームまで落とせたので時には10ノット越え。本船がやたらに多いが何とかすり抜け、あっという間に三浦半島に近づく。城ヶ島まで来てお迎え要請。スピードが出過ぎて、入港が危ないのでジェノアダウン。またしてもバウマン、スプレーをまともに浴びながら頑張る。最後の壺へのアプローチが最大の難所。ジャイブを避けてタック回り、ここ一番のナビを頑張り無事に入港。お迎えが来るまで辺りを何回か行ったり来たり。あんまりスピードが早くてお迎えの人はびっくりしていた。ハーバーのリフトまで曳航してもらう。日曜日のハーバーは満員でちょっと恥ずかしい。16時30分、10時間の緊張航海が終了。後は全員で大掃除。こうして外房クルージングは多くのドラマの内に幕を閉じた。8月14日の出来事。

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